アスリートが「セカンドキャリアのためにとりあえず資格を取る」のは2つの意味で間違っている
- 2020.04.15
- セカンドキャリア

こんにちは。坂口友亮です。
アスリートはセカンドキャリアに向けて資格を取るべきか?
そう聞かれたら「“とりあえず” で資格を取るのはオススメしない」と答えます。
理由は2つあります。
理由1. お客さんは、あなたの資格にお金を払ってくれない
まず「資格」があれば仕事につける…と考えるのはちょっと早計です。
すべての資格は、お客さんの「問題」を解決するためにあります。
医師なら、病気の人を救うため。
弁護士なら、法律上のトラブルを解決するため。
自動車の整備士なら、車のトラブルを解決するため。
なので、自分が「仕事を通じてどんな問題を解決したいか?」が明確になっていないと、資格を取ったり、資格を使った仕事を探すことが目的になってしまいます。
そうなると結構辛いんですよね。自分が資格をとって仕事をしていると「他にもっと良い選択肢があるよな」と思うことがあります。
でも、資格が邪魔をして出来ない。
「問題を解決する」ことではなく「資格を使う」ことが目的になっているからです。
また残念ながら、お客さんはあなたの資格にお金を払ってくれません。
あなたからすると、時間とお金をかけて取った資格ですけど、お客さんはその苦労を知りませんし、知っていたとしても関係ありません。
むしろ「資格を持っているんだから」と高いクオリティを要求されます。
お客さんは資格を持ったあなたが「問題解決することで生まれる価値」にお金を払ってくれるんです。
そこを間違えると、せっかく資格を取ったのに、こんなはずでは…と後悔するハメになります。
理由2. お金はあなたを幸せにしてくれない
とりあえず生活するために、簡単に取得できて稼ぎが良さそうな資格を取るのもいいと思います。そんな都合のいい資格あれば…の話ですけど。
先ほど「資格は手段であって目的ではない」と言いましたが、お金も同じです。
幸せになるためにお金は必要だけど、お金があっても幸せにはなれない。
つまり「資格」も「お金」も手段であって目的ではありません。
「とりあえず資格を取る」のを僕がオススメしないのは手段の目的化が起きてしまうからです。
もちろん「安定した仕事につきたいから、公務員の資格を取って就職する」これも全然OKだと思います。
警察官や消防士、市役所などで働くための公務員試験などがあります。
ただ、公務員が安定してるのは間違いありませんが、仕事が楽なわけではありません。
僕の知り合いでも徹夜、休日出勤当たり前の環境で働いてる人が結構います。
ここからは「じゃあ、資格をとるべきか判断するにはどうすればいいの?」と思っている人のために、具体的なワークを2つ紹介します。
ワーク1. 「誰かの問題を解決した経験」を10個書き出す
あなたが、今までに「誰かの問題を解決した経験」を10個書き出してみてください。実際にできなくても「やろうとした」経験でもかまいません。
10個の経験を書き出したら「問題を解決することで、相手にどうなって欲しかったのか?」も書き出してみましょう。
「どうなって欲しかったのか?」の部分に共通する要素はありますか?もちろん、いくつか出てくる場合もあるので、一つに絞れなくてもOKです。
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いかがでしょうか?ポイントは「問題を解決することで、相手にどんな感情を与えたかったか?」を考えることです。
「安心を与えたかった」「納得して欲しかった」「集中して取り組んで欲しかった」…色々あると思います。
改めて、あなたが解決したい問題のために「資格」は必要ですか?
ワーク2. ミニマムライフコストを計算する
お金から自由になるために、”ミニマムライフコスト”という発想を持とう。
一年間生活する上で、最低限必要なランニングコストはいくらか。
自分ひとり、または家族が健康的な食事をして、快適に眠る場所を確保する。そのためだけにいくらあればいいのか。
「自由であり続けるために20代で捨てるべき50のこと」
ミニマムライフコストとは、
- 家賃
- 水道光熱費(水道・電気・ガス)
- 通信費(スマホ、インターネット)
- 交通費
- 車の維持費
- 食費
- 日用品代
- 保険料
- 年金
いわゆる生活費のことです。
いかがでしょうか?ミニマムライフコストを稼ぐために「資格」は必要ですか?
ちょっと手間のかかるワークですが、資格を取る時間とお金を考えたら、取り組むメリットは十分あります。
より詳しい内容を知りたい方は、ぜひ本を読んでみてください。
資格を取るのはお金も時間もかかります。
さらに「何となく」で資格を取ると、かえって選択肢が狭まってしまう場合もあります。
「せっかく資格を取ったんだから、使わないともったいない」と考えてしまいます。
その上、ロクに稼げない場合「こんなはずでは…」と後悔することになります。
「自分が仕事を通じて解決したい問題」と「ミニマムライフコスト」が明確になれば、資格が必要かどうか自然とわかります。
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