「サッカーが好きだから、サッカーに関する仕事をする」と、セカンドキャリアは失敗する
- 2020.04.15
- セカンドキャリア

こんにちは。坂口友亮です。
アスリートのセカンドキャリアの一つに「指導者」という選択肢があります。
またサッカー選手なら「サッカー用品のメーカーに就職すれば楽しく働けるかも」と思い、就職先を探すかもしれません。
上手くいくケースもあるかもしれませんが、多くの場合「思っていたのと違う」「こんなはずでは」と後悔するハメになります。
なぜでしょうか。
それは「アスリート」と「指導者」と「メーカー」では、求められる能力も、価値を提供する相手も、全く違うからです。
アスリートなら、求められる能力は「競技で成果を上げること」です。価値を提供する相手は「観客(ファン)」です。
「指導者」なら、求められる能力は「選手をマネジメントして成果を上げてもらうこと」です。価値を提供する相手は「アスリート」です。
「メーカー」なら、求められる能力は「自社の商品を売ること」です。価値を提供する相手は「アスリート」や「観客(ファン)」です。
あなたは「自分はサッカーが好きだから、サッカーに関わって仕事をすれば、楽しく働けるかも」という幻想を抱いているかもしれません。
現実は、違和感をかかえて働くか、「やりがい」を搾取されるだけです。
では、どうすればいいでしょうか。
まず、好きなことを「競技」のレベルで考えるのではなく「競技を通じて何をするのが好きなのか」まで掘り下げます。
以下の質問に答えてみてください。
- どんなプレー(パフォーマンス)が得意ですか?その理由は?
- 逆に、どんなプレー(パフォーマンス)が苦手ですか?その理由は?
- 選手生活の中で、一番充実していた出来事は?充実していた理由は?
- 競技を辞めようと思った出来事はありますか?その理由は?
- なぜ、今までその競技を続けてこられたのですか?
- プレーする上での1番のモチベーションは?
- どんな環境の時に、一番成長しましたか?
- 自分なりの「上達のコツ」はありますか?
- 他の競技でなく、今の競技でなければいけない理由はありますか?
- 今の競技を通じて学んだ考え方はありますか?
いかがでしょうか?質問に答えることで「競技を通して何をするのが好きなのか」が見えてきたでしょうか。
もしくは、全てに対して「何となく」という答えしか出なかったでしょうか。
「何となく」という答えが悪いわけではありません。
僕は言語化するのが好きですが、感覚が優れていて、言語化しなくても「何となく」で上手くいく人もいます。
しかし、これまで自分で意思決定せず「何となく」競技を続けてきた人は、間違いなくセカンドキャリアで苦労します。
「好きな競技に関する仕事をする」とセカンドキャリアは上手くいきません。
「好きなことは趣味で、仕事はお金を稼ぐ手段として我慢する」という考えもありますが、僕は嫌いです。つまらないからです。
「自分は何をするのが好きか」を掘り下げて、競技にとらわれず別の分野に目を向けると、新たに自分が好きなことを実現できる分野が必ず見つかります。
そこが、あなたがセカンドキャリアで活躍する舞台になります。
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