好きなことを仕事にできない人の2つの特徴
- 2020.05.14
- セカンドキャリア

こんにちは。坂口友亮です。
今回のテーマは「好きなことを仕事にできない人の2つの特徴」です。
結論から言うと、
「好きなこと」=「楽しいこと」だと思っている
「天職」を探している
この考えを持っていると「好きなことを仕事にしたい」と思った時に壁にぶつかります。
その理由と、解決方法を説明します。
特に「好きなこと」である競技に長年打ち込んできたアスリートは、
セカンドキャリアを充実させたい!
心から打ち込める仕事をしたい!
と思った時に、なおさらこの壁にぶつかりやすい傾向にあるので、参考にしてみてください。
「好きなこと」=「楽しいこと」だと思っている
YouTubeの「好きなことで、生きていく」というキャッチフレーズのおかげ(?)で「好きなこと=楽しいこと」というイメージがありますよね。
ただ、そのイメージが強すぎると、逆に「好きなこと」を仕事にするのは難しくなります。
なぜなら「好きなこと」とは「自分が熱量を持って取り組めること」であり、「楽しいこと」はその一部でしかないからです。
例えば、次の質問に答えてみてください。
- 思わずやってしまうことは?
- つい考えてしまうことは?
- 社会に対して「もっとこうなったらいいのに」と思うことは?
- 時間を忘れて続けられることは?
これらは全部「好きなこと=熱量を持って取り組めること」です。
「好きなこと」のイメージを「楽しいこと」だけなく、
「思わずやってしまうこと」
「つい考えてしまうこと」
に広げると、仕事を見つける際にも幅が広がります。
「思考や行動のクセ」と言ってもいいかもしれません。
例えば、僕は「どうすればよりよく生きれるのか」というテーマを、つい考えてしまいます。
それをどうやったら仕事に活かせるのか?
ワークライフバランスを最適化するには?
そういったことを、ヒマさえあれば考えています。
ただ「どうしたらよりよく生きれるのか」を考えるのは楽しいかと言われると、そうでもありません。
でも、誰に言われてなくても自然と考えてしまう。
あらためて「好きなこと」の条件を、このように考えてみてください。
- やっていて疲れない
- 誰かの「やれ or やるな」という指示に関係なくやっている
- 気づいたらやっている、考えている
この基準で考え直すと「そういえば、これも『好きなこと』だったんだ」と気づくことが見つかります。
「天職」を探している
「天職」って魅力的な言葉ですよね。
その仕事を見つけた瞬間「これだ!」という感動があって、一生その仕事に情熱を持って打ち込める…そんなイメージがあります。
しかし、残念ながらその情熱は長続きしないことが数々の研究で明らかになっています。
「科学的な適職」では、仕事観を「適合派」と「成長派」の2つに分けた研究が紹介されています。
適合派…「好きなことを仕事にするのが幸せだ」と考えるタイプ。「給料が安くても満足できる仕事をしたい」と答える傾向が強い
科学的な適職
成長派…「仕事は続けるうちに好きになるものだ」と考えるタイプ。「そんなに仕事は楽しくなくてもいいけど給料は欲しい」と答える傾向が強い
一見、適合派(好きなことを仕事にする人)の方がよりよい仕事ができて、どんどん成長して、幸福度も高いのでは?と思いますが、数々の研究でその幻想が打ち砕かれています。
【適合派の幸福度が高いのは最初だけで、1~5年の長いスパンで見ると、幸福度、年収、キャリアなどのレベルは成長派の方が高い】
【適合派はスキルの伸びが悪い】
→実際はどんな仕事にも面倒なこと、やりたくないことはある。その際に適合派は「本当にこの仕事を好きなのか?」と考えてしまい、モチベーションが下がる。
一方、成長派は「仕事はこんなもの」と割り切っている。
つまり、適合派はトラブルに弱く、モチベーションが上下しやすい。
【仕事への情熱は自分が注いだリソースの量に比例する】
→人は、自分がリソース(お金・時間・手間など)を注いだものに情熱を持つ。
つまり「天職」とはどこかであなたを待っているものではなく、自分でリソースを投入して作り出すものである。
このように「本当の情熱は何かをやっているうちに生まれてくる」という情熱のあり方を、心理学では「グロウス・パッション」と呼びます。
つまり、好きなことを仕事にするためには、どこかにある天職を探すのではなく「自分の仕事を天職に育てていく」という情熱が必要なのです。
「好きなこと」のイメージをアップデートして、仕事を育てる
「好きなこと=楽しいこと」「天職を探す」どちらも瞬間の熱量は大きいのですが、長続きしません。
「思わずやってしまうこと」や「仕事への情熱を育てる」は地味で面白みにかけますが、どんな仕事でも9割は地味で、表に出ている派手な部分は1割もありません。
自分の中の大きな炎に一喜一憂するのではなく、小さいけれどずっと燃えている炎を探し出して、大きく育てていく。
これが「好きなこと」を仕事にするコツです。
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