セカンドキャリアを考えるアスリートが、あせって転職エージェントに登録してはいけない3つの理由

セカンドキャリアを考えるアスリートが、あせって転職エージェントに登録してはいけない3つの理由

こんにちは。坂口友亮です。

「アスリート 転職 支援」というキーワードで検索すると、たくさんのサービスがヒットします。

どのサービスを選べばいいのか?を考えることも大切ですが、あせって登録するのはオススメしません。

理由は3つあります。

理由1. ほとんどの転職エージェントは、短期的な視点しかない

あなたは、なぜ転職エージェントを利用したいと思いましたか?

転職エージェントに登録すれば、給料が高くて、やりがいがあって、自分にピッタリの仕事を見つけてくれる…と思ったから?

残念ながら、その見込みはちょっと甘い。そもそも、多くの転職エージェントは無料で利用できます。その理由を考えたことはありますか?

「転職の思考法」では、次のように説明されています。

たとえば、ひとりの候補者が、二つの転職エージェントからA社を紹介された場合、最初に候補者とA社の接点を作ったエージェントが報酬をもらう権利を持つ。

だから、どれだけ手塩にかけて転職を世話しても、最終的に他社から紹介された企業に入社してしまうと一円にもならない。

従って、転職エージェントは、他のエージェントとの接触を嫌い、できるだけ早くたくさん企業を紹介し、受けさせようとするのだ。

「転職の思考法」

あなたが転職エージェントを無料で利用できるのは、企業がエージェントに報酬を払っているからです。

そして、この「手塩にかけて」の部分がとても重要です。

本来、転職のように人生を左右する大切な意思決定はじっくり考えて、さまざまな可能性をきちんと考慮する、つまり「手塩にかけて」考える必要があります。

その会社を選ぶことで自分の生き方がどう変わるのか?

自分の強み(市場価値)は何なのか?

欲しいだけの給料はもらえるのか?

その先のキャリアにはつながっているのか?

考えることはいくらでもあります。

しかし、転職エージェントのビジネスモデル上、1秒でも早く企業との面接をセッティングするよう勧めてきます。

転職はゴールではなくスタートです。働き始めてからの方がずっと重要です。

さらに言えば、転職エージェントは働き始めた後には責任を持ってくれません。

責任を持てるのは、あなたしかいないんです。

理由2.「軸」がないまま転職するのは危険

次の9つの質問を見てください。あなたは、全ての質問に答えられますか?

自分の市場価値を測るための9の質問

1. 会社を変えても、価値のあるスキルをどれだけ持っているか?

2. そのスキルの「賞味期限」はいつまでか?

3. 他の会社でも通用する「レアな経験」がどれだけあるか?その経験は、世の中からどれだけ「強いニーズ」があるか?

4. 社内に、自分が会社を変えても、喜んで力を貸してくれる人が、どれだけ存在するか?

5. 社外に、自分のために喜んで力を貸してくれる人物がどれだけ存在するか?

6. その人物たちは、意思決定の力がどれだけあるか?

7. 自分が所属しているマーケットの「一人当たりの生産性」はどれだけ高いか?

8. 自分が所属しているマーケットに今後の「成長性」はあるか?

9. 今後、どれだけ「自分の市場価値」は成長が見込まれるか?

「転職の思考法」

あなたが今、会社につとめていないなら「会社」や「社内」は「自分が所属するチーム」などに置き換えてください。あなたは、これら全てに答えられますか?

「何となく」で会社を決めてしまうと、入った後に「こんなはずでは…」と後悔することになります。

そして、一度会社に入ると辞めるのはとてもエネルギーが必要です。恋人と付き合う時よりも別れる時の方がエネルギーがかかるのに似ています。

これら9つの質問への答えが、あなたが転職する時の「軸」になります。

「軸」とは「判断基準」のことです。「判断基準」がないと、どうなるか。

何となくお腹が空いてレストランに行った時、急にあなたがアホになってしまい「何をどれくらい食べたいか、予算はどれくらいか」という基準がわからなくなった場合を考えてみます。

メニューを見てもどうすればいいか分からないので、店員さんがオススメするものを言われた通りに注文するしかありません。

そして食べ終わった後に「何か違ったな」とか「思ってたより高かったな」と後悔するハメになります。

同じように、何となく仕事が欲しくて転職エージェントに登録したものの「自分が何をしたいのか、得意なことはなにか、どれくらい給料が欲しいか」という判断基準がなければ、エージェントにオススメされた会社に何となく就職し、しばらくたってから「何か違うな」「給料が思ったよりもらえない」と後悔することになります。

「いやいや、食事と転職を一緒にされても困るわ!」と思いますか?

でも「判断基準」という面で見ると同じです。

判断基準がなければアホの状態で転職活動をしているということです。

そして、一度の食事に比べて、転職は人生に与える影響が大きすぎます。

そんな重要なことを、何の基準もなく判断するのは怖くないですか?僕はめっちゃ怖いです。

また、このリストを見て「自分にはスキルがないから、資格を取らなければ!」と、あせって「アスリート セカンドキャリア 資格」で検索するのもオススメしません。

理由はこちらの記事で書いています。

理由3.「転職エージェントを使う」のは採用の一部でしかない

転職する側(あなた)からすると、会社に入る方法は「求人の出ているところに応募する」「転職エージェントを使う」くらいしか思いつかないかもしれません。

しかし、企業側から転職を見直すと、会社に入る方法は大きく分けて5つあります。

1. ヘッドハンティングを受ける

2. 転職エージェントに登録し紹介を受ける

3. ダイレクトリクルーティング型のサービスを受ける

4. SNSなどのマッチングサービスを使う

5. 直接応募、または友人から紹介してもらう

「転職の思考法」

あせって転職エージェントに登録すると、初めから選択肢を狭めてしまいます。

もちろん、あなたがヘッドハンティングを受けるほど優秀な人材なら転職活動は必要ないかもしれませんが、多くの人はそうではない。

つまり、こういうことです。

転職エージェントに紹介される案件だけで、転職先を絞ってはいけない

「転職の思考法」

選択肢を絞るのは、自分の「判断基準」が明確になってからでも遅くありません。

いい転職エージェントの条件とは

もちろん、全ての転職エージェントが短期的な視点だけで仕事をしているわけではありません。

中にはきちんとあなたのキャリアに寄り添って、ベストなアドバイスをくれるエージェントもいます。

では、どんな条件を満たすのがいいエージェントなのでしょうか?

いいエージェントの五箇条

1. (会社との面接で)どこかよかったか、入社するうえでの懸念点はどこかをフィードバックしてくれる

2. 案件ベースでの「いい、悪い」ではなく、自分のキャリアにとってどういう価値があるかという視点でアドバイスをくれる

3. 企業に、回答期限の延長や年収の交渉をしてくれる

4. 「他にいい求人案件は、ないですか?」という質問に粘り強く付き合ってくれる

5. 社長や役員、人事責任者などとの強いパイプがあり、彼らとの面接を自由にセットできる

「転職の思考法」

これも「いい転職エージェントを選ぶ」ための、判断基準の一つです。

つまり、重要な意思決定をする際には「判断基準」が必要。一番伝えたいことはこれです。

たまたま上手く行くことはあるかもしれませんが、たいていの場合「こんなはずでは…」と後悔するハメになります。

この記事で紹介した内容は「転職の思考法」のごく一部です。他にも役に立つ知識がたくさん載っていますので、ぜひ読んでみてください。