ストレングスファインダーとは何か?正しく理解するためのカギ「資質」について解説します

ストレングスファインダーとは何か?正しく理解するためのカギ「資質」について解説します

ストレングスファインダーとは?

ストレングスファインダーとは、「人間の強み」を研究するアメリカのGallup(ギャラップ)社が開発した「社会的に成功するための強み(ストレングス)」を発見するための診断ツールです。

Gallup社は、世界中の様々な職種の成功者200万人にインタビューを行い、結果を分析することで、成功者がそなえている34の「資質」を明らかにしました。


実行力影響力人間関係構築力戦略的思考力
アレンジコミュニケーションポジティブ内省
信念指令性個別化分析思考
公平性最上志向共感性原点思考
回復志向活発性包含(ほうがん)収集心
慎重さ社交性成長促進学習欲
目標志向競争性親密性戦略性
規律性自己確信調和性未来志向
責任感自我運命思考着想
達成欲適応性


177問の質問に答えることで、自分を特徴づける資質のランキングを知ることが出来ます。

2020年4月現在、全世界で2300万人以上が診断を受けていて、個人の才能の開発や、企業内でのマネジメントなど様々な用途に使われています。

ストレングス・ファインダーを活用する上で「資質」の理解がカギになります。

ストレングスファインダーには「才能」とか「強み」という言葉も出てくるので、「資質」ってどういう意味なのか?どんな特徴があるのか?がわかりくいんですよね。

試しに診断を受けてみたけど、よくわからなくて結果を活かせてない…という方もいると思います。

今回はストレングスファインダーへの理解を深めるために、資質の持つ重要な特徴を解説します。

1. 資質は “クセ” である

ストレングス・ファインダーが生まれたプロセスを簡単に説明すると、こんな感じです。

  • 様々な職種の成功者200万人にインタビューを行う
  • 成果を出している時に無意識に発揮されている約5000の「才能」を明らかにする
  • 似ている「才能」同士を集めて34の「資質」にまとめる

ストレングスファインダーにおいて「才能」は次のように定義されています。

才能とは「無意識に繰り返し現れる思考、感情、行動のパターン」である

Gallup®︎

なんか難しいですね。簡単に言うと、

才能=クセ

資質=似たようなクセの集まり

と考えればわかります。

「才能」や「資質」というと難しい気がしますが、要は「つい」「思わず」「ふと」やってしまうこと、考えてしまうことです。

「資質=クセ(の集まり)」と考えることが、ストレングスファインダーを正しく理解する上でとても大切です。

2. 資質は社会的な成功につながる

「ストレングスファインダーでわかるのが、ただクセだったら、それをどうやって活用すればいいのか?」と思われるかもしれません。

ここがストレングスファインダーの優れているところです。

資質はただのクセの寄せ集めではありません。

磨けば、必ず社会的な成功につながる「強みの元」なのです。

理由は、ストレングスファインダーが生まれたプロセスを考えるとわかります。

34の資質は「世界中の成功者」から明らかになった才能の集まりです。

つまり、ストレングスファインダーで明らかになった資質は、全てが社会的な成功につながるものです。

脳科学の世界では、私たちの行動・思考の90%以上は無意識がコントロールしていることが明らかになっています。

そのイメージはよく氷山に例えられます。


しかし、無意識のうちに、自然とできる思考・行動パターンに対して、自分で気づくことは中々できません。

そこで、無意識の行動・思考パターンの中から「社会的に成功するためのパターン」のみを厳選したストレングスファインダーを活用します。

3. 資質は育てるものである

資質はあくまでクセです。それだけでは社会的な成功につながる「強み」として使うことはできません。

才能×投資=強み

才能を強みとするには、才能への投資、才能に基づく訓練、才能への知識とスキルの付加が必要となります。

Gallup®︎

例えば「適応性」という資質の人は「流れにそって進むのが好き」というクセを持っています。

これだけでは、社会的な成功にはつながりません。

「流れにそって進むのが好き」というのは「変化に対応するのが上手い」とも言えます。

例えば、トラブルシューティング能力が必要とされる仕事につく。

日々状況が変化して、臨機応変な対応がもとめられる場所でスキルを磨く。

そうすることで「流れにそって進むのが好き」というクセが「トラブル対応が上手い」「臨機応変に対応できる」という「強み」に育っていきます。

4. 資質は長所にも短所にもなる

先ほど「適応性」の人は「流れにそって進むのが好き」というクセを持っていると説明しました。

これを長所として見るなら「変化に対応するのが上手い」です。

逆に短所としてみるなら「目標や計画を立てるのが苦手」「あきっぽい」とも言えます。

34の資質は、そのどれもが社会的な成功につながるものですが、あくまでクセなので、長所にもなれば短所にもなります。

なので、資質が下位であることのメリットもあります。

例えば「適応性」が下位の人は「変化に対応するのが上手い」人を見て「うらやましい、自分もそうなりたい」と思うかもしれません。

しかし、「適応性」が下位の人は「目標や計画を立てて、コツコツ取り組むことができる」という長所を持っている、とも言えます。

ストレングスファインダーは人をうらやむのではなく、自分が持っている資質を最大限に利用することの大切さを教えてくれます。

5. 資質は組み合わせで発揮される

資質は一つ一つがパワフルな力を発揮するものですが、さらに組み合わせることで自分だけの強みになります。

例えば「適応性」×「学習欲」だと、

「状況の変化に合わせて必要なことを学べる」という強みになります。

また「学習欲」×「内省」だと、

「一つのことを納得するまでじっくり学べる」という強みになります。

繰り返しになりますが、どの資質が優れているとか、どの組み合わせが良い、ということはありません。

ストレングスファインダーでは、TOP5の資質が特に発揮されやすいとされています。

資質は34あるので、TOP5の組み合わせは34×33×32×31×30で、約3340万通りあります。

誰もが、自分だけの強みを見つけることができるのです。

6. 資質で適職はわからない

資質は「思考や行動のクセ」を明らかにするもの、つまり「どうやって目標を達成するのが向いているのか」を教えてくれます。

簡単に言えば「自分の勝ちパターン」を教えてくれます。

なので、ストレングスファインダーで自分にあった仕事はわかりません。

同じ「医師」という職業でも、

「共感性」を持つ医師は、相手の感情に寄り添い、安心感を与えます。

「適応性」を持つ医師は、相手の状況に合わせて臨機応変に治療を行い、安心感を与えます。

「慎重さ」を持つ医師は、最悪の状況を想定しながら治療を進めて、安心感を与えます。

同じ「医師」という職業が「安心感」を与える場合でも、一人一人やり方が違います。

「この資質を持っていないから、〇〇の仕事にはつけない」ということはありません。

7. ストレングスファインダーは「HUNTER×HUNTER」の水見式

ストレングスファインダーを漫画「HUNTER×HUNTER」の水見式だと考えると、さらにストレングスファインダーに対する理解が深まります。

「HUNTER×HUNTER」の世界では、

  • 強化系
  • 操作系
  • 変化系
  • 放出系
  • 具現化系
  • 特質系

という6つの系統=念能力の資質があります。

水の入ったグラスに葉っぱを浮かべて念を込めながら手をかざすと、水が増えたり、葉っぱが動いたり、水の味が変わったり…と様々な変化が起きます。

その結果によって、自分がどの系統の念能力者なのか?を見分ける方法が「水見式」です。


「HUNTER×HUNTER」コミック6巻

他にも、自分に向いていない系統の念能力を磨くことを、ヒソカが「容量(メモリ)の無駄使い」と表現していたところも、ストレングスファインダーと似ています。

例えば「共感性」が最下位の人がいたとして、「共感性」を磨こうと必死に努力しても、「共感性」を上位に持っている人には、とうてい太刀打ちできません。

また、HUNTER×HUNTERの強いキャラには共通点があります。

  • 自分の系統(資質)を理解している
  • 自分に向いていないことはしない(メモリの無駄遣いをしない)
  • 自分の系統を極限まで磨き上げている
  • 戦闘では自分の強みを活かし、弱みを隠し、相手の強みを使わせない
  • どんな念能力も一長一短、相性があることを理解している
  • 念能力に優劣はなく「どう使うか」が重要だと理解している

まぁ…身もフタもないこと言ってしまうと「強いキャラは頭がいい」なんですけどね。

漫画の中でも、せっかく良い能力を持っているのに、メモリの無駄遣いをしたり、自分の能力で自滅したり…と残念なキャラがたくさん登場します。

  • ストレングスファインダー=水見式
  • 34資質=念能力6系統
  • 強み=ゴンのジャジャン拳、キルアの雷掌(イヅツシ)や落雷(ナルカミ)

このように考えると、ストレングスファインダーがどんな診断ツールなのか?資質とは何か?がわかってきたでしょうか?

結論

ストレングス・ファインダーは「何をやるのがベストか」ではなく「どうやるのがベストか」を教えてくれるツールです。

資質によって明らかになるのは「自分には何が向いているか」ではなく「自分がやりたいことを達成する方法」です。

昔、診断を受けたけどそのままになっている…という方や、診断を受けたけど、どう活かしていいかわからない…という方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。