セカンドキャリアに悩むアスリートは、定年前のおじさんに似ている
- 2020.04.18
- セカンドキャリア

こんには。坂口友亮です。
ふと「セカンドキャリアに悩むアスリートって、定年前のおじさんに似てるよな」と思いました。
定年前のおじさん
- 一つの会社に全てを捧げてきた
- 定年後は他の会社に転職したいが、いざ転職活動を始めてみると自分のスキルが社内でしか通用しないことに気づく
- 今さら、誰にでも出来るつまらない仕事はしたくない
- 転職後も生活のレベルは落としたくない
- 会社にクビを切られたら終わり
- 転職は悪だと思っている(会社の人間からよく思われない)
- もっと早くから自分のキャリアについて考えておけばよかった
- これからどう生きればいいかわからない
セカンドキャリアに悩むアスリート
- 一つの競技に全てを捧げてきた
- 引退後は他の業界に転職したいが、いざ転職活動を始めてみると自分のスキルが競技でしか通用しないことに気づく
- 今さら、誰にでも出来るつまらない仕事はしたくない
- 転職後も生活のレベルは落としたくない
- 怪我をして競技ができなくなったら終わり
- 転職は悪だと思っている(業界の仲間からよく思われない)
- もっと早くから自分のキャリアについて考えておけばよかった
- これからどう生きればいいかわからない
つまり、自分の「価値」や「役割」だと思っていたものは、会社(競技)が与えてくれたものだったと気づいてしまうことから、セカンドキャリアの問題はスタートします。
なぜ、こうなってしまったのでしょうか。
「転職の思考法」では、こう説明されています。
ある会社に、AさんとBさん、二人の40歳の社員がいる。
「転職の思考法」より
二人は同じ会社に勤めている。
だが、Aさんは今の会社が潰れたら生きていけない。一方でBさんは今の会社が潰れても生きていける。
同じ年月働いてきたのに、まったく違う結果の二人。
それは二人が見てきたものが違うからだ。
さあ、何だと思う?
「…たとえば、お金でしょうか?貯蓄の仕方とか」
違う。結論は上司を見て働くか、マーケットを見て働くかの違いだ。
「マーケット」とは市場のことですが、簡単に言えば「お客さん」のことです。
アスリートにとっての「マーケット」とは「観客」のことです。「ファン」とも言えます。
いくらパフォーマンスが高くても、それを見たいと思う人がいなれば、アスリートに価値は生まれません。
では、どうすればいいのでしょうか。
これだけ共通点があれば、定年前のおじさんの問題を解決する方法がアスリートにも使えそうです。
定年前のおじさんだったら、いつ会社がなくなってもいいように、自分のスキルを高めて、上司ではなくマーケットを見て動く必要があります。
アスリートだったら、いつ競技ができなくなってもいいように、自分のスキルを高めて、監督ではなく、観客(ファン)を見て動く必要があります。
何も好き勝手に行動しろ、というわけではありません。
チームがなければ、そもそも競技をすることも出来ないので、チームが観客(ファン)にどんな価値を提供しているか?を理解して動くことが大切です。
「チームがどんな価値を提供しているのか?」がわからないのは、半分はオーナーや監督の責任です。
でも、もう半分は観客(ファン)を見ていない、アスリート自身の責任です。
「セカンドキャリアのような先のことばかり考えて、今の競技に集中しないでいいんですか?」と思われるかもしれませんが、そうは言いません。
むしろ、真剣にセカンドキャリアを考えることで、結果的に今の競技に集中できる、と僕は考えています。
共通点の多いアスリートと定年前のおじさんですが、決定的に違うことがあります。
それは年齢です。
定年前のおじさんは50代〜60代、一方セカンドキャリアを考えるアスリートは20代〜30代。
あなたは、これからの人生をどう生きたいですか?
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